第5回【静鉄情報センター】50周年を迎えるIT企業の新しい今

静鉄バスや電車に乗る方なら、しずてつカード「LuLuCa(ルルカ)」はご存じでしょう。そのシステム開発を立ち上げ当初から手がけてきたのが静鉄情報センター。2026年でちょうど設立50周年、ITベンダーとしては老舗と言える企業です。普段は人の目に留まることのない裏方的事業ですが、日進月歩のICTを地域社会に提供し、ユニークなソリューションを引っ提げて全国展開も果たしています。

●「LuLuCa」立ち上げから「PDA売価チェックシステム」まで
当社が手がけたシステムで地域の皆様に馴染み深いものといえば、しずてつカード「LuLuCa」でしょうか。運賃をカードにチャージし、乗車時に車載器で読み取るというシステムを1から立ち上げました。今では当たり前のシステムですが、当時は民営私鉄では全国初の試みでした(発行当時は「パサールカード」)。静鉄グループの一員であることを大きな強みとし、この他にもさまざまな実績を築いてきました。
今力を入れている商品の一つが、スーパーなどで使われる「PDA売価チェックシステム」。商品棚に表示されている価格が正しい売価になっているかをチェックするシステムです。二次元コードを連続スキャンする手法を採用し、大量の商品が並ぶ棚でも超高速でチェックできます。静鉄ストアからの要望にお応えする形で開発したこのシステムは、展示会などで全国から良い反響をいただいています。

お客様の課題と向き合う4事業
当社の事業は大きく分けて4つあり、お客様の課題に沿って各種ソリューションを提案するICTソリューション、お客様独自のシステムを構築するソフトウェア開発、ICT機器のメンテナンス、そしてデータセンターの4部門に分かれています。
どの事業も目的はお客様の現場の課題解決です。デジタルありきではなく、まず業務上の課題の原因を突き止め、その改善を図る手段としてAIやローコードなども含めたICTの活用をご提案しています。
業務改善によって生まれる変化は、単に効率が上がるということだけではないと感じています。現場の負担が少しでも軽くなれば、働く方々に余裕が生まれ、その分、新しいことに挑戦したり、お客様へのサービス向上にもつながっていきます。そうした一つひとつの積み重ねが、企業の成長はもちろん、地域全体の活性化にもつながっていくと考えています。

「静鉄グループの強みを活かし、公共事業に関連する案件ではグループ内の他企業と
連携したインフラづくりを考えています」と話す
山口俊一営業部長

社員のコミュニケーションを活性化しているのが、若手や中堅社員が中心になって動かす社員組織「STIC会」。2026年度の会長を務めるSEの近藤純也さんに活動や成果を伺いました。

STIC会の狙いは、部門間コミュニケーション
STIC会を一言で言えばレクリエーション活動を行う社員組織です。バーベキューやボウリング大会、社員旅行と年3回大きなイベントを企画し、もう40回以上は続けています。会の目的は部門間のコミュニケーションです。私はSEですが、他部門や社外で仕事をしている社員などは仕事上の接点が少ないので、STIC会が良い交流の機会になっています。新人とベテランが交流することで社内の風通しも良くなります。仕事中は厳しい人があんなに笑うんだとか、社員の知らない一面を見ることができるので、イベント後には雰囲気が確かに変わりますよ。部署内で責任が増していく私たち中堅社員も、他部門に話を通しやすくなってとてもやりやすくなるという効果も生まれています。コロナ禍の最中は会の活動も中止になりましたが、2023年に復活した時は社員から喜びの声が上がったほどです。
準備する役員の負担はできるだけ軽減しながら、皆さんが参加しやすく満足度の高いやり方を考えていきたいと思っています。

「50周年という節目の年の会長を務めるからには、皆さんに満足していただける
素晴らしい社員旅行を企画したいと思っています」と近藤純也会長
バーベキューやボウリング大会には社員の家族も招待しています。基本はすべて自由参加です
社員旅行には8割の社員が参加します
(2025年社員旅行。岡崎城にて)

若手社員の皆さんに、静鉄情報センターで働く魅力を伺ってみました。

システムを売る営業職。具体的にはどんなお仕事ですか?
販売管理や倉庫管理といった事業の軸となる基幹システムを提案・販売しています。一昨年からは先輩と2人で、今会社が力を入れている「PDA売価チェックシステム」の販売に取り組んでいます。初めてこのシステムのスピードを見た時は衝撃でしたね。他社にない魅力的な商品で、これは売っていくべきだと思いました。PR動画を自分から提案して作り直し、社外のプレゼンコンテストで2位になったんですよ。展示会でも反響がとても良く、大きな可能性を感じています。

営業職としてどんなことに力を入れていますか?
当社の営業は数字を追うというよりお客様との関係性の構築に重きを置いているのが特色。僕もお客様に直接会いに行くことを大切にしています。何かあったとき「よく来ている営業さんに相談してみよう」という気軽な関係性を築きたい。そして感謝されたり「また来てね」と言われたりすることが、次への原動力になっています。

静鉄情報センターの良さとは何ですか?
ITに強いわけでもなかった自分を快く受け入れてくれ、分からないことを親身になって教えてくれる環境を、ありがたいと思っています。上司とも仕事以外の趣味の話をしたりできる関係なので相談ごとも安心してできます。

「他社で営業の経験を積んだ後、地元に根差している静鉄グループに親しみを感じて転職を決めました」と望月さん
「ITの仕事は表立って活躍することはないけれど、業務や経営に欠かせないインフラを支えているという手応えは他業種では得られません」

キーボードを打つ音だけが聞こえる、というSE業界のイメージが崩れました
SE 中澤愛梨さん

SEとして、どんな仕事をしていますか?
今は本社で物流企業様向けの基幹システムの構築を行っています。数人でプログラミングを行うチームのリーダーを務めています。まずは後輩たちから話しかけやすい先輩になれるよう頑張っています。私は、後輩育成と自分の業務成果を高いレベルで両立させている、そういった先輩になるのが目標です。

モチベーションになることとは何ですか?
ある企業のカスタマサポートの問い合わせシステムを開発して、お客様から画面がとても使いやすいという感想をいただけたことが印象に残っています。去年から自分でお客様のもとに訪問して要望などをヒアリングする機会がもてるようになりました。今まではリモートでお客様とお話しすることが多かったのですごく新鮮で、より良いものを作ろうという気持ちが湧いてきます。

静鉄情報センターの良さとは何ですか?
働いている先輩後輩、良い方ばかりで、みんな好きです。役員や上司とも距離感が近い会社です。IT企業らしくない言い方かもしれませんが、社内はアットホームな雰囲気。入社前は「キーボードを打つ音だけが聞こえる」というSE業界のイメージを持っていましたが、実際にはチームメンバーとコミュニケーションを取りながら一つの仕事を進めていくことができています。

入社の決め手は先輩社員が話しやすく風通しの良い職場環境だと感じたこと。「女性も比較的多い職場です」と中澤さん
専門学校でプログラミングを学んだ即戦力として入社。「未経験でも困らない教育研修制度があり、未経験の新入社員も増えています」

いろいろな業界の方の話を聞けるのは、この会社だからこそ。
ネットワークエンジニア 

稲葉風雅さん

ネットワークエンジニアとはどんな仕事ですか?
企業内のネットワークの設計や機器の設置などを行う仕事です。当社の場合はこれに加えて運用保守や障害対応も行っているので、一般的なネットワークエンジニアよりはるかに社外に出ていくことが多いと思います。他社では経験させてもらえないようなことも幅広く経験してスキルを磨いています。

●やりがいを感じるのはどんなときですか?
インフラを支えるため、異業種の現場の方と話して普段どんな仕事をしているのか理解するのがこの仕事の良さです。例えばバス会社の点呼やアルコールチェックシステムなど、普通は見られない業務を知ることができ、視野が広がって楽しいです。また、複雑なネットワークの構築を入念に準備して、実際に設置したら思いの外すんなりできたときは、準備した甲斐があったなと思います。お客様の障害対応でも、スムーズに原因を究明して解決し、お礼を言われたりするとモチベーションが高まります。

●静鉄情報センターの良さとは何ですか?
グループ企業を含めいろいろな業種の方と関わることができることです。バスの運転手さんから建設会社の工事業者まで、仕事のこと以外の話を聞くこともできるのが個人的に好きで。それも、いろいろな企業と関わっているこの会社だからこそだと思います。

専門学校ではプログラミングを学んでいた稲葉さん。どちらかというと苦手分野だったネットワークエンジニアに挑戦することに
他社のネット回線事業者や配線事業者の方と共同作業をする現場も。協力して問題を解決するためコミュニケーション力も大事

新卒で入社して以来、進歩著しいICT業界の荒波を乗り越えてきた代表取締役の久保田光二社長に、これまでの歩みと50周年を迎えた今の抱負を伺いました。

静鉄グループ3社の電算部門として設立
当社の設立は1976(昭和51)年、静岡鉄道ほか3社の電算部門を統合する形で始まりました。売上や仕入れの管理に1台数十億円もする汎用コンピュータを使っていましたが、PCが広まりインターネットが普及し始めると、PCとサーバを結んで業務を行うクライアントサーバシステムの時代が始まります。その後さらに社会全体を大きく変えたのが2007(平成19)年頃からのスマートフォンの普及とクラウド化です。大型マシンに集約→ネットワークによる分散化→クラウドへの集約と、情報インフラの形が変わるたびに私たちの業務も変化してきました。そうした中で当社は、規模こそ大きくはありませんが、システム開発から運用、保守メンテナンスまで、一気通貫で情報サービスをご提供できることを特色としてきました。

学生時代はコンピュータ嫌いだったものの、時代を見越して静鉄情報センターに入ったという久保田光二社長。
デジタルに抵抗のあるお客様の気持ちがよく分かると話します

インターネットはもちろんパソコンすらもない時代から情報と向き合ってきた静鉄情報センター。扱っているのは先進的なデジタル技術でも、人と人とのアナログなつながりを大事にしてきたからこそ、変化の激しい業界を生き抜いて来られたのでしょう。若手社員の皆さんの「ビジネスライク」でない笑顔が印象的な会社でした。

静鉄情報センター ホームページ
https://shizutetsu-info.com/

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