第3回【静鉄建設】静岡の成長とともに歩んだ60年。静岡の街を守り、未来を創る仕事

静岡の人で静鉄建設が手がけた施設を見たことがない人はおそらく、いないでしょう。地元密着の総合建設会社として、静鉄グループの施設はもちろん、道路や護岸などの公共工事や民間の建物まで、さまざまな実績を積み重ねてきました。2025年で創立60周年。静岡の街を守り、未来を創っていく仕事をしている「縁の下の力持ち」です。

施工管理を担当した土木部土木課の佐々優月さん。
専門的な話もわかりやすく説明してくれました。

●外国からも視察に来る大工事
由比の地すべり対策工事では61本の深礎杭を複数の建設会社が分担して造っていますが、当社は中でも最も深い、深さ83.5m、直径5mの杭を手掛けました。深礎杭は出来上がった杭を打ち込むのではなく、地面に深い縦穴を掘ってそこにコンクリートを流し入れて造ります。土留(どどめ)しながら掘り進め、最深部まで到達したら鉄筋を組み、コンクリートを流し込む。長いと掘っているうちに傾きが出てくるので、都度測って指示しながら進めました。日本でもこれだけの規模の深礎杭は少なく、イタリアやインドから視察に来た人を現場に案内したこともあります。

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●ペン1本が重大事故につながる現場
以前にも当社で何本か杭を造りましたが、この杭は中でも一番地盤が硬いところで、1日10cmしか掘り進められないときもあったんです。とはいえ穴に入って作業する職人さんは1日3〜4人。焦りで心が折れそうになる職人さんを支えながら地道に頑張りました。何より大事なのは安全管理。83.5mの穴ではペン1本落としただけで重大な事故につながります。常に出てくる水を排水し、空気を送って、酸素濃度と一酸化炭素の数値を監視しながら慎重に進めていきました。こんなに恐怖を覚える経験はそうないと思います。一番深いところを掘っていたときはエレベーターで65m下まで降りて、そこからははしごで一段ずつ降りて。底から見上げると直径5mの穴が500円玉くらいに小さく見えました。

結局、掘削期間は3倍に延び、3年強に及ぶ長丁場になってしまいました。でも何が起こってもおかしくない現場で最後まで安全に施工できたことは良かったと思います。

なかなか見ることができない、深さ80mの底から見上げた景色。

●見えなくなっても、地域を守ってくれれば
掘っているときは深かったけれど、コンクリートで固めてしまえばもう人の目に触れることもありません。でも達成感は大きいですね。いざという時に力を発揮してくれればいいなと思います。同じ現場で仕事をしていた他の建設会社さんとも交流ができ、自分にとってもいい経験になりました。今は集水井といって、地すべりの原因となる水が貯まる井戸を造っています。工事はまだまだ続きます。

建設現場で工事の進行を管理する「施工管理職」は今、建設業界で引っ張りだこ。静鉄建設では、女性の施工管理職も男性陣と肩を並べて活躍しています。静鉄建設史上2人目の女性施工管理職である望月さんは入社3年目。持ち前の笑顔にもプロらしさが出てきました。

●どんな仕事?
今の現場は学校の修繕工事。その前は民間工場の新築の現場で施工管理をしていました。工事の予算など全体の管理を上司が行い、私は同期と2人で安全管理業務や毎日の作業計画書の作成を担当しています。日々さまざまな職種の業者さんが加わるので、新しく来た方への現場説明をしたり、朝礼でその日の危険箇所などの注意点を伝達したり。特に今の現場は校舎を使いながらの修繕ですので、出入りする生徒さんや先生、地域の方への配慮もとても大切です。

●仕事のやりがいや達成感は?
新築から修繕まで、いろいろな建物に携われるのが何より楽しい。公共施設やオフィスビル、工場や事務所など、それぞれの建物ができていく過程に携わり、完成を見届けられるのがこの仕事の良さだと思います。最近は工程表を見て、次はこの作業だからこれを準備するといった先回りの行動ができるようになってきました。職人さんから「この現場はやりやすかった」と言われるのが一番うれしく、次の現場でも同じように言ってもらえるよう頑張っています。

●静鉄建設の良さは?
女性が働きやすい環境が整っていること。現場に女性専用トイレを設置するなど、細やかな配慮があります。職場は気さくな雰囲気で、何か分からないことがあったときに気軽に質問しやすい環境。先輩は何か悩んでいるとすぐ声をかけてくれるし、職人さんも一見近寄りがたそうでも実はめっちゃやさしくて、親切に教えてくれます。協力して取り組むチームワークも静鉄建設の良さだと思います。

「夏場の熱中症対策も大事な仕事」と望月美緒さん
「図面を素早く読めるようになるのが今の目標」だそう

静鉄建設の社員は現場事務所の勤務が多く、社員同士が交流するチャンスがなかなかないのが悩みどころです。そんな社員のため、総務部を中心にさまざまな社内活性化を進めています。総務部の永野真一部長にお話を伺いました。

●ボウリング大会、盛り上がりました
定期的に全社員が集まる機会は、4月の安全祈願祭と新年の賀詞交歓会しかありませんでした。そこで、大滝社長の呼びかけで、もっと交流の機会を作ろうということになりました。狐ヶ崎ヤングランドボウルの工事を受注させていただいたこともあって、ボウリング大会をこの7月に開催しました。
最初は参加者がどのくらいいるのかと半信半疑でしたが、最終的には30名以上が集まって、大盛況のうちに開催することができました。普段は会わない社員同士がチームを組んで競い合ったのが、盛り上がった理由かと思います。
さらに、今年は創立60周年を記念して10年ぶりの社員旅行を計画しています。これも、親睦を深めるよい機会になればと思います。

ボウリング大会は大成功!

●社会貢献活動、ずっと続けています
社員が参加する活動として、春と秋の2回、朝の始業前に本社周辺の清掃活動を行っています。地域のみなさまへの恩返しとして始まった活動で、長い歴史があります。地元の方から「いつもありがとう」と言われたり、登校する子どもたちと挨拶を交わしたりと、地域とつながるよい機会になっています。
そのほか、当社が会員となっている静岡建設業協会様が主催する献血運動にも、多くの社員が協力しています。

現場でも地域でも清掃活動

●社員のために、目指すは新社屋建設
創立60周年を機に、現在ユニフォームのリニューアル計画を進めています。年々過酷になる夏の暑さにも対応できる、より機能的なものを社員の投票で決定します。
さらに、今後の大きな目標として目指したいのが、新社屋の建設です。社員が気持ちよく働ける環境をつくって、規模や業績だけでは測れない企業価値を高めていきたいと考えています。

創立から60年を数える静鉄建設ですが、現在の社名になったのは1992(平成4)年。その前の歴史を知る飯野敏和顧問に会社の歩みを語っていただきました。

「社員一人ひとりの技術力も上がり、安心して大きな仕事も挑戦できる」
と語る飯野敏和顧問
牛妻護岸災害復旧工事(2011年)
新静岡セノバ(2011年)
東静岡調整池(2015年)
日本平展望回廊(2018年)

入社当初から静鉄建設を見つめてきた大滝勉社長に、今後のミッションを伺いました。

当社が静岡鉄道グループの一員として「静鉄産業株式会社」の名で産声を上げてから、今年で60周年になります。以来、静鉄グループの事業をはじめ、地元民間企業、静岡市、静岡県、国土交通省など、地元の様々な施設建設や土木工事を手掛けてきました。グループの経営理念である”安全・安心・快適のあくなき追求”を目指し、長年培ってきたノウハウを駆使してお客様に信頼していただける確実な施工を行っています。

近年ますます激甚化する豪雨などの自然災害に向けた対策や、脱炭素をはじめとする地球温暖化対策に対しても、当社の建築土木工事を通して貢献したいと考えます。当社が手掛ける施設や工事が静岡の暮らしを豊かにし、明るい未来につながるよう、これからも社員一丸となって全力を尽くします。

大滝勉代表取締役社長

静鉄グループの幅広い施設をはじめ、地域の生活の要となる建物や土木工事を通じて皆さまに貢献してきた静鉄建設。「還暦」の60年を迎えて実績もノウハウも人材力も充実、新しい挑戦の歴史がこれから始まります。

静鉄建設 ホームページ
https://www.shizutetsu-con.jp/

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